沖縄の食料品は全国で一番高い
「沖縄は物価が安い」は、少なくとも食料については明確に誤りである。
消費者物価地域差指数(全国平均=100)で、沖縄県の食料は106.7。47都道府県で1位。 東京(103.0)より高い。
食料の全国順位
| 順位 | 都道府県 | 食料の指数 |
|---|---|---|
| 1位 | 沖縄県 | 106.7 |
| 2位 | 東京都 | 103.0 |
| 3位 | 福井県 | 102.5 |
| 4位 | 島根県 | 102.5 |
| (最下位) | 長野県 | 95.8 |
全国平均より6.7%高い。輸送コストが効いていると考えられるが、 指数はその理由を教えてくれないので、ここでは断定しない。
総合指数だけを見ると見落とす
沖縄の総合指数は100.2で、全国平均をわずかに上回る程度(高い順に9位)。 これだけ見ると「ほぼ平均並み」に見える。だが費目で向きが逆転している。
全国平均が100なので、100を挟んでどちら側かがそのまま全国比になる。
| 費目 | 沖縄 | 高い順の順位 | 東京 |
|---|---|---|---|
| 総合 | 100.2 | 9位 | 104.0 |
| 家賃を除く総合 | 101.2 | 5位 | 102.2 |
| 食料 | 106.7 | 1位 | 103.0 |
| 光熱・水道 | 105.0 | 16位 | 96.2 |
| 被服及び履物 | 101.1 | 16位 | 102.9 |
| 保健医療 | 99.5 | 25位 | 101.4 |
| 教養娯楽 | 96.7 | 22位 | 106.0 |
| 家具・家事用品 | 96.4 | 44位 | 101.5 |
| 交通・通信 | 97.6 | 46位 | 103.2 |
| 住居 | 94.0 | 18位 | 127.2 |
| 教育 | 91.8 | 35位 | 97.9 |
| 諸雑費 | 90.9 | 47位 | 101.2 |
総合指数を押し下げているのは住居(94.0)である。 家賃を除いた総合で見ると沖縄は101.2で、全国5位に上がる。
構造は「毎日買うものが高く、たまに使うものが安い」
- 高い: 食料(1位)、光熱・水道、被服
- 安い: 諸雑費(47位=全国で最も安い)、交通・通信、家具・家事用品、教育
家計の体感は毎日買うものに強く引きずられる。 指数上の総合が平均並みでも、買い物のたびに高いと感じる可能性が高い構造になっている。
一方で、安い費目が生活を楽にしないわけではない。 教育費と諸雑費が全国下位であることは、子育て世帯には実際に効く。
この数字でできないこと
- 指数は金額ではない。 相対的な水準を示すだけで、「沖縄の食費は月◯円」とは言えない。 金額で言えるのは実額データがある家賃と光熱・水道だけである。
- 100を下回っても「生活が楽」とは限らない。 所得の水準が県ごとに違う。 沖縄の年収は全国最下位なので、同じ指数でも負担の重さは変わる。
- 都道府県の値と県庁所在市の値は別物。 那覇市の値を沖縄県全体として扱わない。
- 「住居」は家賃そのものではない。 設備修繕・維持費を含む。 家賃は住宅・土地統計調査で見る。
- 2024年(令和6年)結果が最新。 2025年結果は未公表。
出典
- 総務省統計局「小売物価統計調査(構造編)消費者物価地域差指数」2024年結果(全国平均=100)
出典の一覧と取得日は /sources/ にある。