沖縄の単身世帯の生活費は、公的統計に存在しない
「沖縄 単身 生活費」で検索すると、それらしい金額を挙げたページが並ぶ。 だが公的統計に、沖縄の単身世帯の生活費は存在しない。
なぜ無いのか
家計調査の単身世帯は、地域区分が「九州・沖縄地方」までしか分かれていない。 沖縄は九州7県と合算されている。
九州が標本の大半を占めるため、この合算値を「沖縄の単身世帯」として使うことはできない。 参考までに九州・沖縄の合算は月159,720円だが、これは主に九州の数字である。
もうひとつよく引かれる那覇市の家計調査は、二人以上の世帯の数字で、 単身世帯には当てはまらない。世帯人数が違えば構造そのものが変わる。
分かるのは全国の単身世帯の水準
| 全国・単身世帯(月額) | |
|---|---|
| 消費支出 | 169,547円 |
| 食料 | 43,941円 |
| 住居 | 23,372円 |
| 光熱・水道 | 12,816円 |
| 交通・通信 | 20,418円 |
| 教養娯楽 | 19,519円 |
| 諸雑費 | 30,375円 |
住居費の23,372円に注意。 これは持家世帯を含む全単身世帯の平均で、 家賃を払っている世帯は35%しかない。家賃の相場ではない。 沖縄で借りる家賃を見たいなら、住宅・土地統計調査の実額を使う (→ 沖縄の家賃は安くない)。
平均年齢58.7歳という点も見落とせない。 全国の単身世帯には高齢単身が多く含まれるので、 移住を検討する現役世代の支出構造とはずれる。
「無い」ことを書くのが誠実
沖縄固有の数字を期待して調べた人に、合算値を沖縄の数字として渡すのは誤りである。 当サイトはここを埋めない。
代わりにできるのは次の3つで、当サイトはこの順で示す。
- 全国の単身世帯の水準(上の表)— 全国比較の基準として使える
- 那覇市の二人以上世帯の実額 — 世帯構成が違うと断ったうえで
- 在住者の実測データ — 世帯構成を明記した実額
3が最も価値が高い。統計が沖縄の単身世帯を捕捉していないぶん、 実測が埋められる数少ない領域である。ただし当サイトの実測はまだ溜まっていない。 溜まるまでこの節は空のままにする。
この数字でできないこと
- 沖縄の単身世帯の生活費は、この統計からは出せない。 これが記事の主旨である。
- 九州・沖縄の合算値を沖縄として使わない。
- 二人以上世帯の那覇市の数字と並べて比較しない。 世帯・粒度・期間がすべて違う。
- 教育費が月9円と極端に小さいのは単身世帯の性質(子がいない)による。 10大費目をそのまま二人以上世帯と比べてはいけない。
- 2024年結果。
出典
- 総務省統計局「家計調査 家計収支編 単身世帯 第3表(都市階級・地方別1か月間の収入と支出)」2024年
出典の一覧と取得日は /sources/ にある。