沖縄のIT職の年収 — 全国比−22%、でも県内平均より50万円高い
沖縄でIT職に就くと年収はどうなるか。この数字は、読む向きによって正反対のことを言う。
3職種の年収
賃金構造基本統計調査で「SE」に近い職種は3つに分かれている。
| 職種 | 全国 | 東京 | 沖縄 | 沖縄/全国 | 沖縄の順位 | 沖縄の労働者数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ソフトウェア作成者 | 574万円 | 602万円 | 446万円 | −22.4% | 40位 | 4,490人 |
| その他の情報処理・通信技術者 | 629万円 | 674万円 | 460万円 | −26.8% | 42位 | 2,520人 |
| システムコンサルタント・設計者 | 753万円 | 785万円 | 538万円 | −28.5% | 37位 | 360人 |
いずれも全国比で2〜3割低い。上流の職種ほど差が大きい傾向が出ている。
同じ数字が、県内では逆を意味する
沖縄の全産業平均の年収は393.5万円で、47都道府県で最下位である。 ソフトウェア作成者の446万円は、県内で見れば平均より52万円ほど高い。
つまりこうなる。
- 県内でITの仕事に就く → 沖縄の中では相対的に高給。ただし全国比では2〜3割安い
- 本土の給与を維持したままリモートで移住する → 上の表は自分に当てはまらない
この分岐は当サイトで最も重要な論点なので、別記事にしてある。 沖縄移住の経済性は「どこから給料をもらうか」で正反対になる。
労働者数を必ず見ること
この統計は職種によって標本が非常に小さい。
沖縄のシステムコンサルタント・設計者は360人しかいない。 一方ソフトウェア作成者は4,490人で、この規模なら平均値は比較的安定する。
実際、都道府県別の上位には標本の小ささによると思われる不自然な値が混ざる。 順位表を単独で見せてはいけない。労働者数を必ず併記する。 当サイトが上の表に労働者数の列を入れているのはこのためである。
この数字でできないこと
- 「沖縄のSEの年収は◯◯万円」とは書けない。 SEはこの統計の1職種ではなく、 3職種にまたがる。ひとつだけ取り出すと恣意的になる。
- 産業計・企業規模計の値。 受注構造(下請け比率など)の違いは反映されない。
- 給与差の理由はこのデータからは分からない。 推測して書かない。
- 個人の年収の予測には使えない。 経験年数・企業規模・スキルで大きく動く。
- 求人があるかどうかは別の話。 沖縄の有効求人倍率は長く全国下位にあり、 職種別の需給はこの統計に表れない。
出典
- 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」一般労働者 都道府県別 第3表(職種(特掲)別)
全国比(−22.4%など)と県内平均との差は、 上記の統計そのものではなく、当サイトで計算した派生値である。 出典の一覧と取得日は /sources/ にある。